お客さんは容赦ない

 アマゾンでもヤフオクでもお客さんの評価は非常に気になるものだが、それは商売人として当然のことだ。ヤフオクは相互監視のようなものになっているので、滅多なことでは悪評価はつかないが、アマゾンはほぼ一方的に付けられるので、どの出品者を見ても、面白いように悪評価がついている。また、それを苦にしているせどらーも多いのはブログを見ると分かる。

 そもそも、せどりで出す商品は古本なので、本の状態に関する受け取り方は各個人で驚くほど違う。ある人はまあまあキレイだと思う古本が、別のある人にとっては汚いという評価になることも多い。

 キレイと汚いの間には細かいグラデーションが存在しているので、それを正確に評価するのはどだい無理な話である。細かい情報を提供できないアマゾンのシステムにも問題があると思うが、そもそも古本に細かい瑕疵を言うのは恐らく世界中で日本人くらいなのだろう。

 海外に行って古本屋に入れば、まさに「古本」というレベルの古本が平然と売られているが、そういうのが当たり前であって、ページに折れがあるから文句を言う日本人は神経質だなと客観的に思わざるを得ない。「日本人はうるさい」のはまさに真実である。

 そこで、それがそのまま評価に関わってくるようになるのだが、平然と「悪い」評価をつけてくるお客さんもいる。

 理由が「雨に当たって封筒が染みていた」とか、本に関係ないものだったりして苦笑してしまうが、お客さんとは本来そういうものだ。改善できるところは改善するとしても、どうしょうもないところもあるので、いちいち気にはしていられない。

 しかし、理不尽な評価も、それが売り上げにも響いてくるのだから、せどりビジネスも大変だ。一番大変なのは、お客さんに無理難題の評価をつけられて、いちいち精神的ダメージを受けてしまう神経質なせどらーだろう。

 お客さんの評価が絶対だと思っていると、評価が下がったときに自殺しかねないほどのダメージを受けてしまうはずだ。しかし、古本・中古を扱っていて、アマゾンの今のシステムを使っている限り、悪い評価は必ずつく。それは間違いない。

 そうなったときに精神的に「来る」人は、おそらくビジネスに向いていない人である。私の見たところ、ビジネスに向いていないせどらーは結構多いように思う。