コモディティ(陳腐商品)を扱う先には絶望的な薄利多売が待っている

 せどりをする人間が扱う商品は誰もが手に入れることができて、誰もが何の工夫もなく売ることができるものなので、これは完全なるコモディティ(陳腐化商品)であると断言してもいい。

 プロから買おうが素人から買おうが、商品自体の付加価値が変わるわけではない。とすれば、客が選ぶ基準はおおよそ価格が安いか高いかでしかなく、それが商品の限りない薄利に拍車をかける。

 かつては1日ごとに、今は1時間ごとに、今後近い将来は出した瞬間に、1円めがけて商品は値崩れをする。すべては1円に収斂されると言っていい。そうなると真っ先にやっていけなくなるのが零細なせどらーだが、巨大な在庫を抱えるプロの業者も、手間ばかりかかってほとんど儲からない利益の薄い商売を強いられるだろう。

 そうやって痛みに耐えても、ライバルが死に絶えていつかは独占的な価格がつけられるようになるかといえば、たぶんそれもない。なぜなら1円めがけてせどりに飛び込んでくる素人が山のように生まれるからである。

 結局、コモディティを扱うビジネスというのは、常に薄利の隣り合わせであり、厳しい商売は延々と続いていく。コモディティ(陳腐商品)を扱う先には絶望的な薄利多売が待っている。

 それが、せどりの真の姿である。私はちょうど3ヶ月目に、それを察して、このビジネスを深追いするのはやめにした。